■プロフィール■
名前:鈴木麻衣子(仮名)
年齢:30後半
所属:デザイン会社のマーケティング部 マネージャー
趣味:旅行
インスタグラムやYouTube、オンラインショップ(ネット通販)などで、急激に発展したWeb業界。
いまではインターネットやスマートフォンアプリなど、WEBサービスを使わない日はほとんどない。2019年春にはWEB制作会社が舞台となったドラマ「わたし、定時で帰ります」が話題となり、WEB業界がますます身近となった。
今回は、これからもどんどん進化していくであろうWEB業界で活躍するキラキラ女子【鈴木麻衣子(仮名)さん】に人生の転機をインタビュー。
鈴木さんの転機「大学受験時の父の言葉」
デザイン制作会社で勤務し、主にWEB制作を得意とする鈴木さん。
唯一の女性マネージャーとして抜擢され、数名の部下をまとめるチームリーダーを務める中、自身もディレクターとして数々のWEBサイトを立ち上げている。
そんな順風満帆に見える彼女だが、これまでの人生に悩むこともあったそう。
鈴木さんに、「今の自分があるのは、何かきっかけになる出来事はありましたか?」と尋ねると、大学受験の時に言われた父のアドバイスが転機だったと話してくれた。
高校時代は食物栄養学科のある大学を志望していた。
食物栄養学科とは、管理栄養士など人々の健康を支える「食」のプロフェッショナルを目指す学科。
志望の理由は当時祖母が入院しており、おいしいご飯を食べさせてあげたいと思っていたから。
しかし、化学が苦手だった高校生の鈴木さん。
栄養学科は化学の考え方と似ていて、苦手な化学と常に付き合うことになるため、「化学で受験に落ちるなら、栄養学科は無理」と高校の先生にすっぱり。
それでもあきらめきれず化学で受験したものの、結果は不合格。
そのままずるずると高校3年の2月まで進路先が決まらず、留年or違う学科のどちらかで悩むことになった。
『こだわり続けず、応用心理学科を受けたら?』
悩む鈴木さんに声をかけたのは父だった。
第一志望は食物栄養学科だったが、心理学やマーケティングに興味があったため、第二志望に応用心理学科を考えていた。父のその一言をきっかけに応用心理学科を受験し、結果は見事合格!
第一志望の学科ではなかったが、興味のある心理学を学び、楽しい大学ライフを過ごしたとのこと。
学ぶたび新しい発見があり、心理学やマーケティングにどんどんはまっていったという。
「マーケティングって面白い♪」by鈴木さん
180度変わった新社会人生活
大学生活も終盤、就職活動をスタートした鈴木さんの希望はもちろんマーケティング関連の会社。
しかし当時のマーケティング業界は新卒・未経験の採用はあまり行っておらず、さらに就活氷河期であったこともあり困難を極めた。
当時は60〜100社に応募して、面接できるのは30社ほど。なかなかうまくいかない時期をずるずる過ごす。
最終的に知識ゼロのシステム会社に入社を決意したが、周りからも1年で辞めるのでは?と言われた。
しかし理由なく別方向のシステム会社に入社を決めたわけではない。
鈴木さんは自身のことを「その場で仲良くなるのは苦手。でも長い付き合いになると信頼関係が築ける」という自己分析をしており、システム業界のことを調べるとその考えに繋がる部分を感じたという。
システムもクライアントに対して、長期スパンで問題解決・手助けができることから、やりがいがあるかもしれない。
入社して約7年間、徹夜で働くなどハードな日々も過ごしたが、その時身についた知識は鈴木さんにとって財産となり、「やりきった」という想いと経験は今でも糧になっている。
…その後、一身上の都合で退職。
90度変わった、新たな第二人生
退職後はリフレッシュするためにも、3ヶ月間、自由に生きた。
そんな中参加したセミナーの懇親会で、現在勤めている会社の社長、A社長と出会う。
話をする中で、A社長がイメージするこれからのビジョンや考えに共感する部分が多くあり、強く興味を持ったという。
一方A社長側も、ちょうどシステムに携われる人を募集しているということで、後日面接を受けた。
そのまま入社が決定し、30歳という節目を機に鈴木さんの新たな人生がスタート。ちなみに、入社の決め手はなんと「なばなの里のポスター」がきっかけだったとのこと。
昔、なばなの里のイベント(イルミネーション)ポスターを見た時に、すごく綺麗で実際に行きたいと感じた事があった。
面接時に事例集を見せてもらった際、そのポスターが目に留まり、感動。
「人に刺激を与え、行動させるデザインを生み出していることに感銘を受けたということと、あとは勢いかな……」
入社してからは、プログラミングやコーディングをするわけではなく、webサイト制作の企画や提案をするように。
システム会社では「コスト削減」を意識した動きだったが、現職では「クライアントの売上をどのようにして上げるのか」といったマーケティング思考がメインということもあり、心理学科で学んだことも活かせて楽しいと感じるようになったとのこと。
それからは色々な人に助けてもらいながら、コンペにも参加。自分の提案が形となり、受注できたことを経験し、さらにマーケティングの奥深さに魅了されるように。
「マーケティングって面白い♪」by鈴木さん
90度変わった、新たな環境
自分が興味あること、やりたいことに挑戦できるようになってから環境が急激に変化。
入社一年半でWeb部から企画部に部署異動があり、さらにチーフという役職もついた。
企画部はweb制作以外にも、ポスターやパンフレットなど幅広い案件に携わる部署で、今まで以上に進行管理(ディレクション)や企画力が必要になった。
もちろんホームページ作成などのweb案件も急増。
そんな中、web解析ツールのグーグルアナリティクスを知る。
アナリティクスではwebを数字で把握することができ、サイトを見たユーザーの行動なども追えるため、心理学にもマッチ!
数字が出るため、根拠のある提案が出来る様になり、さらに企画・提案の幅が広がった。
このことをきっかけにweb解析士の資格を取得したりと、着実にステップアップしていることを実感していく。
その後、所属していた企画部は「お客さまの売れる仕組みを作る」営業的な視点をより強化したマーケティング部へと進化し、その中の第3グループに所属することになる。役職もチーフからマネージャーに昇格した。
マーケティング部 第3グループはweb解析とシステム(プログラムの技術)に特化したスタッフが集結。まるで鈴木さんの会社のようなそのチームでは、他のグループとの差別化をはかり、より専門性の高いチームにしたいと展望を語る。
遠回りした様に見えて、360度回れば、全ては繋がっている
これまでの人生の中で幾度か「選択する」というタイミングを迎え、そのひとつひとつが今に繋がっている。
鈴木さんが歩んできたそれぞれの選択は、一見関連性がないように見えても基本的な考え方や想いは同じなのだ。
むしろ思い込みすぎず広い視野の中から、自分の信じる最適な道を選んできたように見える。
『こだわり続けず、応用心理学科を受けたら?』という父のアドバイスが、鈴木さんがもつ視野の広さをつくるきっかけとなったのではないだろうか。
遠回りした様に見えて、全て繋がっていたと話す鈴木さんはとても輝いてみえる。
そんな彼女に今後の夢を訪ねると、web解析を活かしたシステムなどの新商品開発がしたいそうだ。活き活きと話すその笑顔はこれまでの人生が豊かだったことを物語っていた。これからの活躍が楽しみである。