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テレワークで増えた「文章だけのやりとり」で、役に立ったポイントを整理してみた

テレワークで増えた「文章だけのやりとり」で、役に立ったポイントを整理してみた

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、テレワークをされている方が増えているのではないでしょうか。
私も自宅でテレワークを始めて1ヶ月以上が経ちました。
環境の変化にも慣れてきましたが、思いのほか戸惑いを感じたのが、社員同士のコミュニケーション。メールやスカイプで文章でのやり取りがメインになるのですが、ちょっとしたやりとりでも、顔を見て会話するのと文章だけで伝えるのでは、なかなか同じようにはいきません。言葉が足りずに勘違いしたり、不要なラリーが増えてしまったりと、コミュニケーションエラーもしばしば。もちろん電話やビデオ会議で直接話すのが一番いいですが、現実的にはすべてのやりとりで行うわけにもいきません。

どうすれば文章だけでしっかり伝えることができるか、試行錯誤する中で「お、これはうまくいったかも」と思えることも出てきました。今回は、私が実体験で感じた3つのポイントをご紹介したいと思います。

1.主語や目的語を省略しない

文章だけで伝えるやりとりで会話との大きな違いを感じたのが、主語や目的語の重要性でした。たとえば「この前もらった資料、出してもらえますか?」という言葉。同じ空間で会話をしていると、「誰が/何が」や「誰に/何を」を逐一言わなくても、文脈や言葉以外の要素があったり、即座に応対もできたりするので、会話はスムーズに成立するんですよね。それがいざ文章だけになると、いろいろな要素が足りないことに直面します。「誰が誰にもらった資料?」「誰が誰に出すの?」と、途端に迷子になり、聞き返すやりとりも増え、コミュニケーションとしては非効率。

はじめから主語や目的語を省略せずに伝えることが、一番の近道なんだと思います。省略をしないという面では、主語や目的語以外にも「いつ」や「どこ」などの詳細もなるべく入れるようにしました。いろいろな受け取り方ができる言葉も、極力1つの意味にしかとらえられない言葉に言い換えるようにしました。上述の「資料」や「出す」もそうです。資料とはどういった内容なのか。出すとはどういった行動なのか。誤解なく伝わるように注意を払います。

こうしたことを考慮して、書き直してみると…
「この前もらった資料、出してもらえますか?」

「○○さんが●月●日に▲▲会社の△△様からいただいた■■についての仕様書、PDFにして□□さんに今日中にメールで送ってもらえますか?」

ちょっとオーバーかもしれませんが、ここまで言うと誤解なく伝わります。できる限り要素を省略せずに丁寧に伝えて、相手の「?」を少なくすることがポイントなのだと思います。

2.たくさん言いたい時はナンバリングする

会話だと「それと、…」「あと、…」「それから、…」と、用件をいくつか続けて話したり聞いたりしていても、そこまで気になりませんでした。ひとつひとつにリアクションも取れるので、頭の中で整理しながら話したり聞いていたりしているんだと思います。ですがこれも、いざ文章だけにするとダラダラとしてしまい、そうした文章が送られてくると「全部でどのくらいあるの?」という気持ちになり、肝心の用件を見落としそうになることがありました。

たくさん用件を伝える時は、ひとつひとつに番号をつけるようにしました。視覚的にも整然と見やすくなります。話をする側も言いたいことを改めて整理でき、用件の抜け漏れも防ぎやすいです。

用件を整然とさせるなら「・」(中黒)を使ってもいいかもしれませんが、ナンバリングした方が用件を数字1文字で端的に表すことができるので、「①と②は了解しました。➂については…」と、以降のコミュニケーションにも役立ちます。整理整頓して情報の認識を共有できるのが、ナンバリングのいい所だと思います。

3.ふわっとしたことは具体的にたとえる

「企画書のこの部分をもっと大きく修正してほしい」「もっと柔らかい雰囲気のデザインに変更してほしい」などといった、いわゆるニュアンスを伝えることは、直接会話する時でも難しいです。ふわっとした言葉で意見を伝え、修正されたものを見て、また「なんか違う」「そうじゃない」とふわっとした返答をすると、芯を食わないぼんやりとしたやりとりが延々と続くことになり、時間や手間がもったいないです。

解釈や思い描くものは人それぞれ。ニュアンスを文章だけで伝えるには、より詳細に、数値化したり何かにたとえたり、「見える化」に気をつけました。
急いでいる・やりとりのラリーの回数を減らしたい・自分に明確な意図がある場合などは、「もっと大きく」などの大きさを、「今が幅10cmだとしたら18cmくらいまで拡大してほしい」と具体的な数字にして伝えます。「柔らかい雰囲気」は、参考となるような画像を探して、自分が思い描く「柔らかい」イメージを相手と共有します。

ニュアンスを伝えたい時、本来は相手に汲み取って考えてほしいという気持ちもあったりするのですが、文章だけでのコミュニケーションでは、はっきり伝えることが優先だと感じます。自分の意見をしっかりと言葉に表すことで、自分自身でも考えを再認識することができるので、以降のコミュニケーションでもブレずに的確なやりとりを行うことができます。

相手が見えないからこそ、言葉に思いやりを

以上、文章だけのやりとりで役に立ったことを3つご紹介しました。
顔を合わせて話すのと文章だけで伝えるのは別物。文章では、姿が見えない相手とどれだけ多く「共通項」を持つかが大切なんだと、テレワークを通じて痛感しました。

また、テレワーク中は相手が今どういう状況なのか分からないからこそ、それぞれの場所で一生懸命仕事に取り組んでいる、同じ会社の仲間への思いやりが大事だと思います。
思いやりの面からも、相手に負担のないテキストコミュニケーションを心がけて、より良い形で仕事を進めていきたいものです。テレワークをされている皆さま、いっしょに頑張りましょう!

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